セルフケア/花粉・ハウスダスト・ダニのアレルギー対策

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アレルギー疾患の生活指導

ハウスダストに含まれる多種多様なアレルギー物質

アレルギー疾患は、主に空気中に浮遊しているハウスダストが主な原因です。ハウスダストには多種多様なアレルギー物質(アレルゲン)が含まれています。

ハウスダストの中にある物質
  • ダニや昆虫の死骸やフン
  • カビ、細菌
  • 繊維のクズ
  • 土や砂
  • 花粉
  • 人間の毛髪、フケ、皮膚片
  • 食べかす
  • ペットの毛
  • タバコの煙や排気ガス

など

以上のように、ハウスダストはいろいろなアレルギー物質の混合物です。

とくに多いのは、チリダニです。高温多湿(温度 20-30℃、湿度 60-80%)の状態で繁殖しやすく、人間のフケ・垢、食品くず、カビなどを餌として繁殖し、その排泄物(フン)、唾液、死骸の飛び散った物が空気中に散乱し、これが様々なアレルギー疾患(アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎など)を引き起こしています。

原因物質の体内侵入を防ぐ

アレルギー物質が体内に入り込むと、体はその物質を異物とみなして、体外に排出するための免疫システムが動きます。それが、くしゃみや鼻水、咳などの症状です。つまり症状を起こさないためには、これらの原因物質を体内に侵入させないことが必要です。

また、それらのアレルギー物質は、発生する時期や空気中に浮遊する量や時間も環境条件によって違います。したがって、原因となるアレルゲンの種類によって、回避するための対策も異なります。

これらの対策を実施するためには、原因物質(アレルゲン)の特定が必要です。医療機関でしっかり検査をしたうえで、適切な対策をこうじていくことが大切です。

実践後、すぐに症状が軽減するわけではありませんが、治療と並行したセルフケア・生活環境の改善は、治療効果の促進につながります。

アレルゲン別の対策

花粉の場合

花粉症はセルフケアが大切

症状を悪化させないように心がけ花粉症シーズンを乗り切りましょう。

花粉を家に持ち込まない

外出する際には、花粉用マスクや眼鏡(ゴーグル)を着用するように心がけましょう。帽子をかぶるだけでも、花粉の侵入を防ぐことができます。
帰宅時には、衣類についた花粉をはたくようにしてください。
洗顔、洗髪、入浴するなどによって、体に付着した花粉をできるだけ早めに洗い流します。目薬などで眼に入った花粉を洗い流す。

リアルタイムの花粉情報を参考に

花粉の多い時間帯には、極力窓を開けないようにしましょう。外出なども控えることをお勧めします。

衣類の選択

ナイロン、ポリエステルなどは花粉がつきにくい素材です。なるべく花粉のつきにくい素材の衣類を選ぶようにしましょう。

室内の掃除

こまめに掃除し、花粉を室内に残さないようにしましょう。

ダニの場合

ハウスダストの大部分をしめるチリダニ

ハウスダストの中でアレルギーの原因となっている物は、大部分がチリダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)です。

チリダニ対策
1.部屋の中の掃除

家の中のダニ抗原を減らすには、こまめな掃除機が必要不可欠です。ゆっくり丁寧にかけていき、週2回以上の頻度で掃除しましょう。
また、押入れや収納家具の中などの拭き掃除も忘れずに行いましょう。

とくにカーペットは、ダニが繁殖しやすい場所なので、出来れば敷かないことが望ましいです。
もし使用する場合は、こまめに掃除機をかけるようにしてください。

畳も年月がたつとダニが多く増えやすくなります。掃除を定期的にする、拭き掃除をすることが大切です。
畳を選ぶ際は、中身・表面がプラスチック素材の物を選択することも有効です。

2.寝具(布団・ベッド・マットなど)

寝具は非常にダニが繁殖しやすい場所であり、また私たちが普段の生活の中で多くの時間を過ごす場所です。

布団を天日で干しても表面のダニが中に移動するだけで中のダニの量は減りません。
ダニを熱で死亡させるには、50℃で 20 分以上の時間が必要といわれています。叩いてもほとんど効果はありません。
布団用の掃除機をかける(布団用ローラーなど)と効果があります。

材質としては、羽毛は動物性タンパクなためダニが繁殖しやすく、購入する時はポリエステルなどを選ぶことを考えてください。
羽毛は、軽い暖かいなど非常にすぐれた長所を持っていますが、使用するなら繊維が密になっている防ダニカバーをかけるとダニの死骸などが通らないので効果的です。

マットレスもウレタン等のものはダニがつきにくく近年寝具として性能もすぐれた物が多くあります。毛布、タオルケット、シーツなどは洗濯出来る物を選び、定期的に洗濯してください。

枕も、羽毛はダニがつきやすいためウレタン、ビーズなどの物が推奨されます。また防ダニカバーをかけることが有効です。

3. ぬいぐるみ

アレルギーの原因となっていると分かってもなかなか手放せないものです。しかし、いつも大事に抱いて寝ているぬいぐるみには大量のダニ抗原がつきやすいといえます。
可能であれば洗う、収納する際はダニをかぶらないようにするなど可能な対策をしてください。

4. カーテン・ソファー

カーテンを購入する際はなるべく洗濯できるものも選び、定期的に洗濯してください。
布製のソファーは次第にダニがつきやすくなります。革、人工皮革を選び、カバーを定期的に洗濯することが大切です。

5. 換気・空気清浄機

アルミサッシの住宅が増え、気密性の高い住宅が増えてから、一年中家の中のダニ抗原の量が増加しています。結露する場合、湿気がこもる場合には頻回の換気を心がけてください。

空気清浄機は近年性能が非常に良くなっています。
原則は掃除を心がけ、あわせて性能の良い物(ヘパフィルターが付いたものなど)を選んでください。とくにフィルターの掃除は定期的にしてください。

6.防ダニ剤

防ダニ用の殺虫剤は、薬剤が届いた範囲のダニには効果が期待できます。しかし、ダニは薬剤の届かない場所に移動してしまい、ほとんど効果は期待できません。
また、鼻粘膜・気管への刺激性があるためアレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などのある場合には使用しないほうが望ましいと考えます。
根本的な対策としては推奨できません。

動物の場合

こまめな清掃で、清潔を維持

アレルギー性疾患のある場合には、室内での飼育はお勧めできません。
室内でペットを飼っている方は、こまめな清掃をして常に清潔な状態を維持できるように心がけましょう。

  • イヌ
  • ネコ
  • ハムスター
  • リス

などは、動物の表皮の剥離物や唾液、分泌物などがアレルギーの原因になりやすいです。

カビ(真菌類)の場合

湿気の多い季節は要注意

定期的に換気をし、カビの発生を防ぎましょう。

カビの発生しやすい(結露しやすい)場所(キッチン、バス、クーラーのフィルタなど)には、防カビ剤などを使用して清掃することをお勧めします。

また、室内の観葉植物や屋外の枯れ木や腐った植物などは、カビの発生源となります。注意が必要です。

職業性アレルギーの場合

作業後のケアを忘れずに

職業として取り扱うものが、アレルゲンとなっている方も多いです。作業する際にはマスクや眼鏡を必ず着用しましょう。
また、作業場所は十分な換気を行うことが大切です。

作業後は、必ず洗顔・洗髪・うがいを徹底してください。

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